【ぬくもりの記憶】
「愛斗」
「あっ_。」
あの子からのキスは
とても心地が良かったのを覚えている。
まだ『恋』とわからなかったオレに
あの子はキスをしてくれた。
青春の青色が
春の桃色に変わった気がした。
そのうち、真っ赤な情熱の赤色になって
毒々しい紫色へと変わっていった。
あの子の唇は オレの色に染まったまま。
好きでもない女とキスをしても
オレの心は彩られなかった。
その女に『Baby』と呼ばれても
別の男に投げキッスをされても
なんとも思わなかった。
不思議。
12/10/2025, 10:42:36 PM