朝日の眩しさで目が覚めた
うぅ……という低い呻き声と共に重たい身体を横向きに転がす。半開きの視界と指先の感覚でスマホを探し、時計を確認する。
「朝か…」
このまま2度寝したい気分だったが、今日は授業があったため、その誘惑はそっと押し退けた。
窓を開けると冷たいそよ風が吹き込んだ。目覚ましには少し寒いけど、私はこれくらいの方が好きだったりする。辺りを見渡すと庭が一面霞がかったような淡く白くなっているのがわかった。一目見た瞬間、冬の始まりを感じさせる景色だった。
「霜だ。」
そう呟いて窓を閉める。ずっと当たっているには、さすがに寒い風だ。まだ寝ぼけた身体を起こすため、眠い目をこすりながら顔を洗いに洗面所へ向かった。最近は水も冷たくなってきたため、お湯を使うようになった。タオルで顔を拭き取り、ふぅっと一息つく。顔に残った僅かな水が目を覚ましてくれる。
いつもはここから身支度に入るのだが、今日は少し時間に余裕があったため、コーヒーを淹れることにした。有名なコーヒーチェーン店で買ったフィルターのコーヒーにお湯を注ぐ。とく、とくという音と共にコーヒーの深く甘い香りが広がった。この香りがたまらなく心地良い。お湯を注ぎ終え、マグカップを手にリビングへ向かう。まだ熱いコーヒーを飲みながら外を眺めた。さすがにもう寒くて窓は開けられなかった。
「そうか、もうこんな季節か。」
カップの温もりと口に残ったほのかなコーヒーの苦味を感じながら、まだ少し残る眠気と共に庭を眺める。霜の白さと朝日が今日の始まりを告げる。今日も頑張るかと小さく一息つき、冬の朝に身を任せた。
「霜降る朝」
11/29/2025, 2:15:57 AM