水瀬しろ

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12/19/2025, 2:50:05 PM

私にとって、物語は――贈り物だ。

物語の主人公は、私にとってのヒーローだ。
時には喜び、時には悩み、苦しみ、挫折を味わう。

迷いながら――立ち止まりながら――
それでも、いつもヒーローは自分の道を見つけ、前を向いているのだ。

その姿に、またひとつ涙する。
所詮は、小説や音楽の中の主人公――
わかっていても、涙せずにはいられない。

それが、私にとっての物語だ。
そんな物語は、いつも温かくて、切なくて、
私の心のよりどころでいてくれる。

目を閉じて、
ホッとした気持ちとともに、背中を預けてみた。

たとえ世界が、私の敵に回ったとしても――
ヒーローは、いつもそばにいてくれる。

私が、私でいられる存在。
だから私は今日も、
そっと物語を手に取る。


「手のひらの贈り物」

12/18/2025, 11:36:16 AM

子供の頃


模試返却の日。
志望校の判定結果と一緒に、自分の答案が返ってくる日だ。

第一志望合格可能性 E。
ただ「E」と書かれた個人成績表が返却された。

一般に、E判定の合格確率は20%以下だ。
込み上がってくる「それ」をぐっと堪え、自分の置かれている状況を理解した。

「それって、綺麗事でしょ。」

どこからか、そんな声が聞こえた気がした。

第一志望に合格したい。
努力を重ねれば、いつかは――

それでも、諦める理由にはならなかった。
ここで逃げ出してしまったら、何かが終わってしまう気がしたからだ。

その時の悔しさを、今も忘れない。
全力でぶつかって、挫折したからこそ、今の僕がある。

長く、苦しい日々だった。
けれどその日々は、僕に確かな気力を与えてくれた。

だから僕は、今日も前を向ける。
僕だけの理由があれば、それで十分なのだから。


「心の片隅で」

12/17/2025, 10:19:33 PM

1月7日 16時12分


大雪は――嫌いだ。

シャベルを手に、雪を掘る。
ガリッ、ガリッという音と共に雪をすくっては、
雪を庭へ放り投げる。

駐車場は雪だらけだ。
降りしきる雪の中、被るフードに雪が積もる。

雪は静かに、しんしんと降り続けている。
振り返ると、さっきまで雪かきをしていた場所は、もう白く染まっていた。

寒い――
冷え性のせいか、手袋をしていても手が冷たい。

気がつけば、さっきまで雪かきをしていたお隣さんもいなくなっている。
一度、家に戻ったようだ。

雪の日は皆、雪かきに見舞われる。
なので、よくシャベルがアスファルトに擦れる音が聞こえるのだが、
それも聞こえなくなった。

しんとした外に、大粒の雪は止むことを知らず、静かに降り続ける。
まさに滝のようだ。

掘っても掘っても終わらない。
ふぅっとため息をつき、白い吐息をひとり見送った。


「雪の静寂」

12/16/2025, 2:41:02 PM

拝啓、夢の続きにいる君へ


今これを読んでいる君は、きっと夢に向かっていることでしょう。

今は楽しい?それとも、辛い?

私も、夢の途中で立ち止まったことがある。

夢への道のりは険しい。

いつ叶うかわからない。叶わないかもしれない。

だからといって、ここで立ち止まるわけにはいかない。

もしかしたら、その頑張りは誰にも気づいてもらえないかもしれない。

でも、私には見える。
はっきり見える。
君がこれまで描いてきた軌跡が。

真っ暗な世界をひとり、這いつくばっている。

一寸先は闇。

それでも手を伸ばして、必死に前へ進もうとしている。
それでも君は、今日も確かに前に進んでいる。

もし躓きそうになっても、少しでいい。

少しでいいから、夢を見つめてみて。

その夢は、きっと君に力をくれると思う。

いつか終わりは来る。

その時、君はどんな顔をしているだろう。

君は君らしく、前に進めばいい。

それだけで、私は君を応援したい。

いや、応援させてよ。

君の輝く夢が、いつまでもそのままでありますように。


水瀬しろ


「君が見た夢」

12/15/2025, 2:25:25 PM

23時40分

歯磨きを終え、布団に入る前に机に向かう。
私にはルーティンがある。

それは毎晩、明日の目標を立てることだ。
どんなに小さくても構わない。

大好きな温かいミルクティーを飲むだとか
お気に入りの小説を読むだとか
好きなドラマを観るだとか

私にとっての明日の「お楽しみ」を書き出してみる。
日によって様々だ。

決してギラギラした眩しい太陽のような、大そうな目標ではない。

だけど私にとっては眩しい太陽なんかより、こっちの方がずっと心地良い。

小さな灯りをポツン、ポツン――
と照らしていく。
私にとって毎日の目標は、いわば道しるべのようなものだ。

小さくてふわふわしたその灯りは、
いつも私をそっと導いてくれる。
明日の自分が迷ってしまわないように。

たとえそれが小さな光であっても、その灯りさえあれば私は私らしくいられる。

だから今日もひとつ、またひとつ灯りを灯す。
明日へ繋げるために。


「明日への光」

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