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太陽のような

僕は陰キャ。誰がどう見ても、自分が見たって陰キャ。
頭はボサボサだし肌も荒れてる。ちびで短足で勉強も運動も苦手。だから、どうして一軍陽キャばちばちきらきらの中心人物であるハルくんがど陰キャの僕話しかけてくるのか、全く持って分からない。
「なぁミツル、昨日のバラエティ見た?」
「…み、みてないよ、」
「まじー?クソおもろかったぞあれ!」
「そうなんだ…はは……」
会話に全然乗れなくて、愛想笑いしかできない。そのうちつまんなくなって離れていくだろうな…そう思うとほっとするけど少し悲しかった。

2年後

僕は背が伸びて180近くなったし、なんとなく勉強も運動もついていけるようになってきた。まだまだ中の下だけど。
「ミツル〜、そのゲームたのしー?」
「楽しいよ。難しいけど」
「ふーん……」
ハルくんは離れなかったし、僕は慣れた。どんなに素っ気なく返事したって、ハルくんは太陽みたいに僕を容赦なく照らし続けるみたいだ。
「ハルくんてさ、なんでずっと僕に話しかけてるの?」
聞いてみた。内心バクバクだったけど、平静を保てた。
「…お前覚えてねーんだ」
「え?」
「……はは、ミツルらしいや。いいよ。知らなくて。」
いつもの輝く笑顔じゃなくて、無理に歪んでひしゃげた顔。僕は無意識にハルくんを包み込んでいた。
「ご、めん……思い出すから、教えて欲しい、な、」
2年前はあんなに大きく感じてたのに、今では僕の方が大きいや。小さいハルくんを、ぎゅっと抱き込む。
「ミツルはさ、俺の太陽なの。入学式の時、迷ってたら案内してくれた。荷物を持たされた時、手伝ってくれた。他にも沢山助けてくれてたよ?そんでなにより、俺の話を折らずに毎日聞いてくれる。それも笑顔で。世界がそれで色付いたなら、ミツルが俺の光じゃん?」
「……それを言うなら僕もだよ。ハルくんがいたから僕はテレビを見るようになった。趣味も増えて、楽しいが増えた。た。太陽はハルくんだよ。僕はせいぜい月だ。」
ふたりで目を見合わせて、ちょっとしたら吹き出しちゃって。笑いあったあと、俺たち似たもの同士だな、なんて笑う君の顔が、本当にまぶしくて。太陽みたいだった。

2/22/2026, 2:24:56 PM