—Loveの使い方—
今日の英語の授業で『Love』という単語を習った。
「じゃあ、『Love』という単語を使って、隣の人と会話をしてみましょう」
先生がそう言うとクラスがざわめきだした。
思春期の僕たちにとって、少し刺激が強い。
「あー、I love you!」
僕が隣の女子にそう告げると、彼女は顔を少し赤くした。
「Sorry……」
振られた。
「I don’t love you」
さらには追い討ちまで。
彼女がそれを本心で言っているのか、僕にはわからなかった。
タイマーがピピピと鳴った。
「先生ー! 先生は『Love』って単語、日常で使うんですかー?」
クラスのお調子者が訊いた。
教壇に立つ、若い女の先生をからかいたくなったんだろう。
「私は日本人の男性と結婚しましたから、『Love』は滅多に使いませんね。でも、愛は毎日伝え合っていますよ。それが円満な夫婦関係を続ける秘訣ですからね」
女教師は平然と言う。
「皆さんが外国人の方と付き合うことになった時は、ぜひ『Love』を使って愛を伝えてあげてください。まぁ、中学生のあなたたちには、まだ早いでしょうけど」
逆に仕返しをくらった。
先生は何事もなかったかのように、次に進んでいく。
クラスはシーンと静まり返った。
今日の授業は、なんだか疲れてしまった。
『Love』を使うって、思ったよりも体力を使う単語だな、と僕は思った。
お題:Love you
2/24/2026, 1:10:45 AM