君の名前を呼んだ日
目が覚めると知らない街に居た。辺りを見渡してみても人が居ない。
おーい、誰かいませんか、と大きな声で呼びかけるが返事がない。
街はシーンとして静かだった。
暫く歩いてみることにしたが、歩いても歩いても景色が変わらない。
すると声が聞こえた。
「ねぇ、なにしてるの?」
「別に。それより此処は何処?何で貴方以外の人が居ないの?」
「んー。秘密って、言ったら?」
「なんだよ、それ」
そんな意味の無いような会話をしている。
その人はモノクロで、カラフルな景色から浮いていた。
その人だけ何故モノクロなのか。何もわからない。
その人は話が通じない。
1週間。
その人と過ごした。1週間経ってもまだ何もわからない。
「ねぇ、そろそろ気づかない?」
「なにが」
「景色がカラフルなのに対して色がなくモノクロだって事」
「それは見ればわかる」
「そうじゃなくて」
「なにが」
「自分が何者か。お前が創った空想の人物だってこと」
「は?それ、まさか」
「───────っ?」
「正解」
君の正体に気づいて、君の名前を呼んだ日。
君はいつの間にか消えてたね。
「───────…」
「はぁい」
また、会いたいならば君の名前を呼んで。
5/26/2025, 4:17:15 PM