急に、息子たちに会いたくなって来た、世の中の穢れという穢れをまだよく知らない、若いふたりに会いたくてたまらない…………。お義母さんも、突然に襲ってくる、いかんともし難いこの気持ち…こんな気持ちになる事があるんだろうな…。(わたしに会いたいとは思わないだろうけど、息子には会いたくなるんだと思う)
息子たちが、先月遊びに来た時には、わたしはいつものおかずを作りつつ、息子となっちゃん(嫁仮名)は、和室のリビングでふたり寝転んでテレビを観ながらいつの間にか眠ってた。
ふたり顔を見合うように、仔猫の兄妹みたいだ…………と思った。
ほんとは、女の子が欲しかった。息子には言えなけれど、妊娠がわかった時、すぐ女の子だと思って、名前をあれこれ考えた。
男の子だと分かった時、ガッカリした。たぶん、へその緒を通じてガッカリが息子に伝わったんじゃなかろうか…………息子は難産だった。2日間の微弱陣痛の末、吸引になった。
先生に馬乗りされて、、お腹をグイグイ押されて、陣痛はもう無くなってるのにいきめと言われて、気が狂うほどいきんだけど、息子は出て来なかった。なんか、思い出すと、………AV女優も顔負けの喘ぎっぷりだったんじゃなかろうか…………
そんなふうにして生まれて来た息子と、可愛いなっちゃん。
もし息子が女の子だったら、、汚らしい者に一切触れさせたくない。そう思って育てたと思う。
なっちゃんのお父様、お一人でなっちゃんをここまでよく育てあげたと思う。なっちゃんもお父様を助けて、がんばって生きてきたと思う。眩しい。
うちは肉は食べないから、食べたかったら買っておいで、といつも言ってる。
この間は餃子を10個買ってきた。大人4人で10個の餃子かぁ。。と、思ったけど、自分たちの好きなもの買ってきな、と言ったのだから、自分たちの分だけなんだろう、と思ってたら、なっちゃんは、野菜のみの餃子も10個買ってきていた。
女の子は、それだけでも可愛い。そこに居るだけで、可愛い(わたしが善い姑ってわけではない)。もちろん息子も可愛いけど、、女の子は、愛らしい。何歳になっても、その愛らしさを失わないように、守ってあげたくなる。
嫁、という存在の憎らしいほどの若さと可愛らしさ。。これは、圧倒的で、清々しいほどの敗北感に、わたしはうちのめされながらも、なっちゃんの事がとてつもなく可愛いと思う。
………女の子が欲しかった。
女の子の居るご家庭が、羨ましくて、妊活を頑張ったけど、不妊治療までは踏み切れなかった。
なっちゃんには、お父様と息子に守られて、生き生きと、そして、安心して明るい子育てをして欲しい。その外側には、わたしたちも居る。
ゆくゆくは、お仕事をおひとりでずっとされて行くお父様と、息子たちは暮らす事になったとしても(未定の予定)、なっちゃんは、きっと、野菜餃子を買ってきてくれる。
そうじゃなくなったとしたら、わたしたちが、何か、なっちゃんの心を傷つけてしまったんだと思う。
そうならないことを願うけど、現実はなかなかうまくいかないもの。そうなってしまったら、いくら謝っても、なっちゃんとわたしたちの関係は元のカタチには戻らない。息子も帰って来られなくなる。
だけど、無情にも何もかもが元のカタチには戻らないようにこの世界は出来ているらしく、なんだか分からないけど、新しいカタチになるようにも仕組まれてるらしいと、齢を重ねるとなんとなく、みんなそう感得していくもんだと思う。
身の上に何かとてつもない衝撃があって、止まったように思えたとしても、新しく新しく、そう仕組まれている………それはその人にしか、分かり得ない事なんだと思う。
お義母さんとわたしみたいに、もうあの頃のカタチには戻れなくなってるんだけど、少しずつ新しくなってる。
わたしは幼少期からあったかい普通の両親のご家庭を、心底羨ましく思ってきた、ご両親というより、優しくて広く大きい背中のお父さんが欲しかった、なので………、いつかのどこかの時点で、なっちゃんを傷つけてしまうかもしれない。
まだ何も無いところで、
恐れてはいけないけど、恐れてる。こんなわたしも、確かに、どんどん新しいカタチになっている。この間怪我をした親指は、新しい皮膚が出来てきて固くなって、それは前の親指とは違って、何かを学習した証しなんだ。
息子となっちゃんに、会いたい。。
12/21/2025, 11:08:19 AM