soumatou

Open App

遠い日のぬくもり


思い浮かべるのは子供会のキャンプの人

歌ってゲームしてスイカ割りしてカレーを食べて…近所の若いお父さんが15人ぐらいの子供たちを集めて毎夏休みに企画してくれた
締めはキャンプファイアー高く上がる炎がみんなの顔を照らし出していた
半世紀経った今も色褪せない非日常の思い出

レクレーションリーダーの黒メガネの彼は細身で小柄な人
例えるならおかあさんと一緒の体操のお兄さん
子供達を魅了する笑顔動き喋り…
大人が子供目線で楽しむ姿が封建的な田舎育ちの私には新鮮でとっても魅力的だった
今思い返しても一夜のエンタメだった

そんな小学生時代が過ぎ、こども会から離れた
ある夏帰省の折にこのキャンプの話をした
彼はもうこの世にいないという
残念に思う一方、良い人は早逝するんだと軽く納得した
♪遠き山に日は落ちて〜追悼するつもりではなかったが自然に口をついて出てきた
この歌は思いっきり楽しい時間の後に来るキャンプファイアー最期の定番で 物悲しい響きが別れを惜しむ気持ちを増幅させるのだった


最近彼の死因を知って
♪いざや楽しきまどいせん〜が頭を離れない
皆んなで丸く集まってくつろごうという意味だ
ボランティアで子供らにぬくもりを与え続けていた彼が、信じられないことに若くして独り命を絶っていたとは
あなたは私の記憶の中、子供たちに囲まれ
くっつかれ笑顔で走り回っていて…
新世界で生きたいように生きてらっしゃることを願ってやみません 遠い日のSさんへ

12/25/2025, 3:01:23 AM