規則的な、心地よい音が聞こえる。それは山を越えた向こうから聞こえてくるもので、年を跨ぐ深夜に鳴らされる。ああ、また新しい年を迎えるのか。そっと息を吐く。ここは暗くて、静かで、何もない。規則的な音が唯一ときの流れを教えてくれる音だった。私はまだ目覚める時ではないらしい。あと何度、あの音を聞けば良いのだろう。目を閉じて、体を丸める。そっと吐いた息の音だって聞こえない暗闇で、またあの音が聞こえるのを待つばかりである。
12/13/2025, 1:53:13 PM