語り部シルヴァ

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『バレンタイン』

「はい、どーぞ。」
表面は空気の塊が無かったのだろう
滑らかで亀裂が入っていない。
綺麗に4つに切り分けられ粉糖がかけられている。
恋人が作ってきてくれたチョコケーキは今年も美味しそうだ。

「年々上手くなってるよね。すごく美味しそう。」
そう言うと恋人は頬を指でかき恥ずかしさを誤魔化す。
最初の頃はチョコというか
ほぼ炭みたいなチョコケーキができたらしい。
食べてみたかったがさすがに
当時は言う勇気は持ち合わせてなかった。

今言えば怒られるだろうか...
そう思いながら一切れ取ってひとくち食べる。
...甘くて美味しいとしか言えない語彙力の乏しさに
悔やむくらいの味だ。
「お返し、はりきって作らないとね。」

恋人は笑いながら「楽しみにしてる。」と答えた。

語り部シルヴァ

2/14/2026, 10:49:12 AM