『小さな命』
必死にゴム製の乳首にしゃぶりつき、
勢い余って口からミルクが溢れている。
帰り道に弱い鳴き声が聞こえたもんだから
駆け寄ってみると子猫が迷子になっていた。
そのうち親が探すだろうと思ったが毛繕いが
足りていない汚れた毛並みに腫れぼったい目をしていたから
反射的に病院に連れて行った。
薬も貰って一安心したところでミルクをあげていた。
お金を貯めていて心底安心したと思うと同時に
これからこの子の親にきちんとなれるかが心配だった。
今お腹もいっぱいになって
私の膝の上で丸くなって寝ている子猫。
必死に生きるその姿に思わず涙が出た。
語り部シルヴァ
『Love You』
「愛してる」
映画を見てるとだいたいこのセリフがある気がする。
恋愛映画は当然のこと、
アクション映画やコメディでも必ずと言っていいほど...
僕はあまり恋愛をしない。
だからこのシーンは必要なのか...?と
ポップコーンを貪る時間にしている。
誰かに聞こうにもそんな話ができる友達はいない。
いつかこのシーンが良いシーンだと思える日が
来るんだろうか...
けれどそんな日が来ることは無さそうだと思い
今見てる映画に集中することにした。
ちょうど今から盛り上がるパートのようだ。
語り部シルヴァ
『太陽のような』
恋人は太陽だ。
ギラギラしてるじゃなくて、常に私を照らしてくれる存在。
恋人がいるから私は存在できる。
恋人がいなければ...
真っ暗な中誰も見つけることはできないだろう。
私にできることは少なく、
恋人の輝きに反応して存在を示すぐらい。
もっと色んなことをしてあげたい。
そうだ。もうひとつあった。
ただの星にできること。それは...
誰よりも早くあなたの輝きに反応する一番星になることだ。
ありがとう。いつも輝かせてくれて。
そう伝えると恋人はまた眩しい笑顔で笑ってくれた。
語り部シルヴァ
『0からの』
僕らは些細な喧嘩をしてしまった。
ここ最近頻発している...
お互いの距離感や本心で
言い合えるような仲になったと言えば聞こえはいいけど...
お互いを尊重することが少なくなってきたのかもしれない。
話し合う時間を儲けた結果、
少しだけでも相手を思いやる気持ちを
忘れないことを約束した。
付き合っていた頃の優しさ。
何気ない会話で和んでいた日々。
...思い出すと自分は随分とガサツになってしまった。
もう一度、最初の頃を思い出しながら
恋人との日々を大切にしていこう。
今日は君の好きなケーキを買ってきた。
なんだか...謎に緊張してしまう。
ケーキの箱を持つ手が汗ばんでいるのを感じた。
語り部シルヴァ
『同情』
いつもの場所で君はまた泣いている。
誰もいない場所で1人うずくまって。
僕は何も言わず隣に座る。
肩を叩くとか優しい言葉を投げかけるとかしない。
ただただ隣で座る。
僕らは似たもの同士。勝手に思ってるだけだけど。
それでも昔虐められていたから
いじめられっ子の気持ちは痛いほどわかる。
僕が昔して欲しかったことを今君にしている。
僕ができるのはこれだけ。
でも君も少しでも落ち着けるといいな。
語り部シルヴァ