—最後の勝負—
俺には、誰よりも負けず嫌いな友人がいる。
何かイベントがある度に、俺たちは勝負して競い合っていた。
——どっちがサッカー上手いか勝負だ!
——どっちが肉多く食べられるか勝負だ!
——どっちが先生からたくさん褒められるか勝負だ!
一に勝負、二に勝負、三にも四にも勝負。
競うことしか頭にない奴で、でも俺もそれに付き合うのが好きだった。
俺にとって、最高のライバルだったから。
「竹内くんのリクエストで、クラスレクはサッカーをやります」
先生が言った。
今日は俺のライバル——竹内が明日転校するので、最後にクラスレクをしようということになったのだ。
「どっちのチームが試合で勝つか、勝負な」
校庭に向かう途中、竹内がそう言った。
「おう」
校庭に出ると、各自でアップした。
時間が限られているため、すぐに試合は始まった。
先生のホイッスルの音で、ボールは動き出した。試合は二十分しかない。
「パス!」「ナイス!」と声を掛け合いながらゲームが進んでいく。
点を奪い合う白熱した試合。
結局、最後の一分で俺が決めたゴールが決勝点となった。
「五対四でBチームの勝利!」
みんなで握手を交わしてゲームは終了した。
「俺の負けだ。でも楽しかったよ」
「あぁ」
勝ったのに、嬉しい気持ちにはなれない。
これで最後だと思うと、むしろ悲しい気持ちになってしまう。
本当は誰よりも、彼との勝負を楽しんでいたのかもしれない。
「俺な、気づいたんだ。俺は負けず嫌いだけど、本当はお前と何かをするってことが楽しかったのかもしれない」竹内が言った。
「俺も全くおんなじ気持ちだよ」
俺は大きく頷いた。
竹内はいつものように笑っていた。
お題:誰よりも
2/17/2026, 1:32:50 AM