もう少し進んでみようと思えた。だから僕はカーテンを引っ張った。時刻は10:30を過ぎた頃だった。
湿ったようにぬるい服を引き剥がして、タンスの奥底のTシャツを着込んだ。
ほのかに漂う防虫剤の匂いが過ぎた時間の長さを思い出させる。こんなにも長い間、お前はここに留まっていたんだと教えられた気がした。
何もかも嫌になる。何もかも否定したくなる。そうすれば何も抱えなくてもよくなる。失う以前に与えられることが無くなる。だから僕は全部を捨てて殻にこもった。
でももう一度、これが最後でいいから許してほしかった。許されたかった。他でもない自分に生きてて良いと許してあげたかった。だから僕は扉を力強く押してみた。
薄暗い部屋の中とは正反対の明るくて彩度の高い世界。外の世界。東から差し込むサーチライトが身体の中に蓄積した罪を照らし出したようだった。過ぎた時間とともに積み上がった余罪が1つずつ数えられていく。光を向けて影を見るのも、その影を数えるのも全部僕の仕業だった。
目の前を見るのが嫌になって天を仰いだ。
雲一つない青空がやけに深く見えて怖かった。
こんなに深くて広い世界の中の小さな存在に過ぎないことが救いなのか失望なのか、今の僕には判断できそうもない。
お題:0からの
2/21/2026, 12:29:09 PM