金盞花

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「時を止めて」
とても寒い冬が明け、淡いピンクの桜の花が咲き始めている。
遠くで共に卒業したクラスメイトの賑やかな声が響く。
その中に聞きたかった声は混ざっていない。
今日でもう会えなくなってしまうあなたを探して群衆に飛び込む。
ふと窓を見ると、目を見開いたあなたと目が合う。
ああ、やっとあなたと目があった。
屋上に置かれた黒い筒の中に詰め込こまれた卒業証書と卒業アルバム、履き潰したローファーとあなたへの手紙を残し、僕は春に似合わない赤い花を校舎に咲かす。

11/6/2025, 3:06:50 AM