たくちー

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 単なる心の整理だ。この話は現実でありフィクションではないが、あなたにとってはフィクションかもしれない。

 夜中に自分がいない世界を妄想した。菓子パンを包む紙についたカスを食べるのが好きで「捨てないで!」と言っていたボクはいない。いつも座っているソファに姿が見えない。そんな世界。兄の視点から世界を見て何故か涙が溢れてきた。まだ夜中。布団の中で横向きに膝を曲げて身を強張らせる。胸が痛い。「痛い、いたい」と何度も叫び右へ左へ身体を転がせる。冷蔵庫の中の鶏の砂肝が胸を苦しめる。食べないといけない。でも朝はパンじゃないと食べれない。昼に後回しにすると苦しみに耐えられない。逃げ場がない。そんな思いで寝ていることは出来なかった。思考の迷路から抜け出せずにいると昔の記憶が再編成された。揚げ物にカラシをつけるとパンみたいな味だなって思い出した。それなら砂肝にカラシをつけたら分類上は肉ではなくパンになる。その考えに達すると少しだけ息が吸えた。いつもより早く起きて実践する。なんとか気を失わずに済んだ。そして今この文章を書いている。

意味が分からないと思うけどボクの世界においてはそんな独自ルールが存在する。この世界は制約だらけで、お金がなければできない事や社会的な制約(誰もが人生の主人公だから)が多い。でも個人的主観による独自ルールは制定から承認まで独裁国家のように決められる。だからこそ「肉にカラシを塗ればパンとして扱ってよい」なんていうヘンテコルールも罷り通る。

誰よりも自分の心を救えるのは自分自身なんだ。




題『誰よりも』

2/16/2026, 7:01:23 PM