仮世界

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『お気に入り』

僕には毎日通うお気に入りのカフェがある。

駅からは少し遠くて、人もほとんどいなくて、
レトロな雰囲気がとても印象深い。

きっと静かで落ち着くから、
この場所を気に入ったのだろう。

窓際の端、
背中側に壁があって、
店内をよく見渡せるところにお気に入りの席がある。

僕はお気に入りのコーヒーを頼む。

苦すぎず、温かすぎず、量もちょうどいい。

時間も決まっている。
夕方、日が傾く頃。
この時間が1番良い。

今日もやってきた。
黒く長い髪に、
ベージュのハンドバッグ。

同じ時間。

同じ席。

同じ姿勢。

お気に入りの席に座る彼女を眺めながら、考える。

このあとも、
いつもどおり、
お気に入りの散歩道を歩き、
お気に入りの弁当屋に買いに行くのだろうか。

僕は今日も嗜む。
彼女のお気に入りを。

2/18/2026, 7:05:20 AM