あんたの背中から大きな羽根が出てるんやけど、その羽根は何なん?
入院中のおばあちゃんに聞かれ、
何言うてんのよ?羽根?
どこにそんなんが生えてるんよ、よう見てよー、もう!!
と、話しを勝手に終わらせて、そそくさと病室を出て来ました。
昔々、おばあちゃんに助けてもらったキンモクセイの木の精だった私は、恩返しがしたくて、おばあちゃんの側で生きることを選びました。
もしかしたら、ずっと前からこの透明な羽根が見えていたのかもしれません。
あんたはいつもキンモクセイの、いい香りがするね、そう言っていましたから。
もうすぐお迎えが来ますね。
お別れの時です。
キンモクセイの香り、どうか忘れないでください。
またいつか、おばあちゃんの側で生きてみたいです。
11/8/2025, 5:35:00 PM