薄氷の上を歩く。踏みしめる度、乾いた音が響く。廃墟特有の鳥肌も、今はただ寒いだけになる。氷が割れている部屋。よく見るとそれは鏡の破片だった。拾った指先が切れて血が滴る。割れて役目を終えた鏡の枠に氷が張っている。その氷はぼんやりと自分の色を反射して輝いていた。[凍てつく鏡]
12/27/2025, 10:55:08 PM