最後の日。ぽっと、懐かしい言葉が頭に浮かんだ
「人はあたたかいよ」
思わず往年の記録に耽る
あの頃の自分は確か、心に自分をよく軟禁したな
昔は自分が居ない方が都合が良かった
別に完全に拘束していたって訳でないけど
なんでも全ては、制御下にある方が便利だ
ただ出会いの運には良く恵まれたらしいから、ちょくっと友人が遊びに来てくれた
あの人は変で不可解だった
面倒事には首突っ込むし、苦しむ人には同情する酷な性根、挙句人の為人の為と自分の為に傷付いた
阿呆って言うんじゃないのかなぁと思ったけれど、何より、
都合のいい言葉、甘言を吐くのが上手かった
優しいって言うんじゃないかと思う
救われた気に浸った
でも、直ぐにそれも去ってった
あぁこうやって平穏に落ち着くんだなって、どこか黒い目で安心したな
よかったな、人はやはり人なのだ
ありがとう、遥かの友よ
情操だけを教えてくれた
スキルを得るのは良い事だ、希望なんて望めなくても
時折頭を掠める、人の為らしい無意味で白い溜息も。人を見るようでいて目の中の自身を見てるような仕草も。
もう二度と、出会いたくなんざないからさ
雪原の先へまだ向かう
ほんとだね。血が巡るのは温かいんだ
舞うように、ただ舞うように
雑草を踏み潰してでも
この先なんてどうでもいいんだ。進む為だけに進めれば
君だってそうしてたでしょう、頑張る人である為だけに頑張った
愚かなんだ人は。愚かだから人だ。
愚かになりたかったんだ。愚かであるが為に振舞った。
こんな終わりも愚かでいいんだ。多くの人はそうだから。
自分の死を、意味があるものに。それだけを、それだけの為に生きている。
ならばそれに則って、意味の無いという意味を与えた死を得たい。
どっかの部品は破損させた。理由もないのにただ進んだ。生産理由にそぐわぬ言動をした。
君に貰ったこの自棄を
二度と新たに生み出したくない
それだけだったんだ
次起きたら、そうだな
なんか、食べたいな
12/8/2025, 9:29:47 PM