愛、知っている
恵まれている、知っている
知っている、知ってることには大体知ってる
ただ、すっと理解をすり抜けていく
実態があってもわかれない、結局は
分からないもんなんかにもう気を回したくはない
どこからがセーフか、何からが処刑か
殴ってはいけないってなんなのか
昔は手に取るように叩き込めた
なら今はどうだ
ただの愚図が使えねぇ屑へと錆びついた
今日も今日とて暗唱復唱
ごめん。ありがとう!いいよ、大丈夫。
ありきたりな当然の道徳
未だに使い方は分かっちゃいない、機械的に息を吐く
フリック音を消費する
安定が蟠っては解けない
恵まれている、恵まれている
愛されてんなら愛さねば
愛し方だって勝手に教えちゃくれないけどさ
無鉄砲貫き我欲に生きるのが愛か、はたまた無関心貫き人に気を遣るのが愛か
どっち転んでも傷つくだろうに、どうやったって悔やませるだろうに
なして愛されてようと責任なんざ科されんだ
生まれ落ちれば極悪人とはたまげたよ
恵まれないで楽したいとかさ
恵まれてたから宣えたけど
努力義務な重責は、こんな輩にはキツすぎる
この針曲がって動く時計みたいな全身全部おかしくなるまで笑わせてくれ
あぁあ生半可なんかで生きてこなけりゃ、誰も彼にもああすれば
いっそのことさ、遠い日のぬくもり
消えてなくなれ地獄まで
貴方から心臓をもらった
好きに生きてと、その冷める温もりをもらった
置く場所に困ってしまい、結果首に下げた
在るってやつが、中々どうして虚しくした
貴方はよく頭をめちゃくちゃにした
何を起因とした行為かは察することしか出来なかったが、寒くなくていいな、と思った
そのようなかさついた外装なら、体温を得れたかなって
温度だけ感じる身体に、分かりきってる問答をした
貴方は私を殺した
長いこと完璧だった当たり前を殺した
明快な秩序に、可笑しな視野の狭さを捩じ込んだ
どうしてこんなことをした?って。貴方は返した
“夢を見せたい”
掬いの手が落ちた
身勝手だった
冷たかった
今際の際まで意地が悪い
その手のひらの贈り物が、そう単純なもんじゃないことわかってるだろうに
貴方は夢を残した
最後に私に押し付けた
酷い話だ、最悪だ
もう二度と、一筋縄にゃ生きられない
恨むよ、ずっと
許す余地なんて奪われたから
心の片隅にでも、恨んでおくよ
かすかな浮遊感が苦しくて
ねむれない夜にふと目を開ける
にじむ寒気と街頭の喧騒
僕らは深い夜を迎える
らんらんと唸る低い残響
はぐれた言葉も見逃がさない音
連られた迷子を外に誘う
れいきが肺に棲み着いた
らしくないなと笑ってしまう
れいこくに訪れる百七回目
るりに紛れたオリオンの下
遠い鐘の音、最後の鐘の音
くやんでも時は流れてしまう
へいぼんな日々が焼き払われて
とけいの針が線を結んだ
このまま境界線は消えていく
ここには全てを残していけない
にこやかに皆朝を迎える
いい出せなかった本音を置いて
るつぼにハマった人生なんだ
こうして夢すら喰われていくんだ
ともすれば、次に目覚める僕は
はみ出した、なら、もう。
ゆりかごの中
るり色の天幕は桃へと移ろう
さいた牡丹に白が落ち、吸われた
れいめいの彼方に曲線を浮かび
なれない眩しさに目元が弛む
くらやみを溶かすように、日が
てんとうしていく
初めまして、僕は人です
宜しく。仲良くして下さい
あら、君は感情豊かですね
僕は感情が豊かなんですよ
顔に書いてるでしょう。あれ、どこにも見えませんか?
趣味?あぁ、なんだろう
あまり思い浮かびませんが、思考に潜る事なんですかね
君は?考えること?へぇ、そんな趣味もあるんですね
どんな感覚ですか?知らないことを想像するのが楽しい?
そうなんですね。僕は、知ってること以外に気を回す事が好きなんです
人って、色んな人がいますよね
全然あまり、理解は難しいなぁ
夢はありますか?指標とか。
はは、あるんですか。いいですね
なに、人に負けないこと?人振り払って叩きのめして、我が道突っ走ってくことだって?
あぁ!!僕もです、僕らおんなじだ
僕には夢は無いんです。追っかけたって価値無いでしょう
力入れるのも面倒だ。弱いんなら、他力本願であるべきだ
幸運の雨が降るのを待っていたい。だって何になりたいとか選択だとか、何選べやいいのか分からない
その点僕らはよく似てる。でしょう?
君は幾千の夜空を超えてやって来た。この星に
僕はその全容を知らない。君も、僕の見た日常を知らない
例えば、子供が練習する用の箸を親戚に買ってもらったこととか、弱さを包み隠す為声を大きくしていたこととか
これらは些細なこと。語るべくもないこと。
君だってそんなの持っている筈。しかし、これらは僕らをくすませた色彩だ
それは捨ててはならない。絵画を傷付けるのが極刑なように。それを知っているからこそ、戸惑う
絵画が絵画を傷付ける場合、なんて言うのが善いのだろうか
言わないことが正解か、それとも。
そうと悩む内。君は手を振り、背を向けた。
あは。またミスったのか。僕は、
最後の日。ぽっと、懐かしい言葉が頭に浮かんだ
「人はあたたかいよ」
思わず往年の記録に耽る
あの頃の自分は確か、心に自分をよく軟禁したな
昔は自分が居ない方が都合が良かった
別に完全に拘束していたって訳でないけど
なんでも全ては、制御下にある方が便利だ
ただ出会いの運には良く恵まれたらしいから、ちょくっと友人が遊びに来てくれた
あの人は変で不可解だった
面倒事には首突っ込むし、苦しむ人には同情する酷な性根、挙句人の為人の為と自分の為に傷付いた
阿呆って言うんじゃないのかなぁと思ったけれど、何より、
都合のいい言葉、甘言を吐くのが上手かった
優しいって言うんじゃないかと思う
救われた気に浸った
でも、直ぐにそれも去ってった
あぁこうやって平穏に落ち着くんだなって、どこか黒い目で安心したな
よかったな、人はやはり人なのだ
ありがとう、遥かの友よ
情操だけを教えてくれた
スキルを得るのは良い事だ、希望なんて望めなくても
時折頭を掠める、人の為らしい無意味で白い溜息も。人を見るようでいて目の中の自身を見てるような仕草も。
もう二度と、出会いたくなんざないからさ
雪原の先へまだ向かう
ほんとだね。血が巡るのは温かいんだ
舞うように、ただ舞うように
雑草を踏み潰してでも
この先なんてどうでもいいんだ。進む為だけに進めれば
君だってそうしてたでしょう、頑張る人である為だけに頑張った
愚かなんだ人は。愚かだから人だ。
愚かになりたかったんだ。愚かであるが為に振舞った。
こんな終わりも愚かでいいんだ。多くの人はそうだから。
自分の死を、意味があるものに。それだけを、それだけの為に生きている。
ならばそれに則って、意味の無いという意味を与えた死を得たい。
どっかの部品は破損させた。理由もないのにただ進んだ。生産理由にそぐわぬ言動をした。
君に貰ったこの自棄を
二度と新たに生み出したくない
それだけだったんだ
次起きたら、そうだな
なんか、食べたいな