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十年後の私から届いた手紙


十年後の私から
ふいに届いた封筒は
少しだけ陽に焼けて
けれど、どこかあたたかかった。

「大丈夫」
最初の一行は、それだけ。
けれどその一言が
今の私の胸の奥で
ゆっくりと灯りになる。

十年後の私は
相変わらず不器用で
でも、今より少しだけ
自分を信じることが上手になっていた。

涙をこらえた日も
言葉にできなかった痛みも
全部、無駄じゃなかったと
未来の私は静かに書いていた。

「あなたが選んだ道は
どれも間違いじゃなかったよ」
その筆跡は
今の私より少し大人びて
でも、ちゃんと私のままだった。


眞白あげは

封を閉じる前に
未来の私はこう結んでいた。

「どうか、今日のあなたが
自分を嫌いになりませんように。
十年後の私は
あなたに心から感謝しているから。」

2/15/2026, 11:01:57 AM