アカウントを削除した瞬間、画面は真っ白になった。
私の全てだったフォロワー数6,394の数字は、驚くほど軽く消えた。
私は0になった。
新しいアカウントを作る。フォロワーは0。投稿も0。プロフィールには名前だけを書く。余計な肩書きはつけない。
最初の配信は、夜の台所だった。母がきっと壊してしまったのだろう、白い破片が床に散らばっていた。
コンロの青い火と、湯の沸く音。私は黙ってスープを作る。誰もコメントしない。視聴者数は0のまま動かない。それでも、胸は不思議と静かだった。
台本も、演出も、泣き声も、壊れた食器もいらない。新しい今だけの私がここにいる。
画面の隅に、小さく数字が変わる。
「1人が視聴中」
コメントはない。ただ、誰かがそこにいる。
0からの私は少し緊張して「はじめまして」と言った。
『0からの』
2/21/2026, 11:21:46 PM