0からの
#枯葉#同情
からの小説の続き。今日もお題を無理矢理ねじ込んでますm(_ _)m
競技を長く続けていると、病院や松葉杖にも慣れてくる。今回のような骨折は、そう多くないが、ひどい捻挫の時などは、医者から推奨されることがあった。術後二日目になり、ひとりで行ける許可の下りたトイレで用を済ませ、手洗い場の水で清めながら、これからの事を考える。病室は、三日目までは個室をもらっているが、術後経過を見に来る看護師や、事前の連絡も無い姉の来訪、窓の外から感じるかまってちゃんの気配などで集中できない。共有空間だが、ちょうど自分以外に利用者が居らず、この清潔な空間は、自分に集中するには丁度いい環境だった。術後良好、一週間もすれば退院は出来る。それから順調に調整が出来たとしても、選考会には、おそらく間に合わない。
「死に―」
言いかけて口を閉ざす。軽々しく出していい言葉ではなかった。少なくとも病院では。
溜息をつき、患者衣のポケットから出したハンカチで手を拭いていると左足の軽い痛みに気付く。そろそろ麻酔の時間かと、病室に戻るため松葉杖を持ち直した。
個室へ戻ると、まだ誰も居らず――いや、言葉としては、正しい表現のはずで。昨日の今日ですっかりファンタジー脳になってしまったのか、ハンカチと反対のポケットに入れているスマホを動画モードにして、窓から見える木の枝先で揺れている枯葉にレンズを向ける、その動作に、何の疑いもなかった。
「ずっと見てんじゃねーよ。」
すでにこちらを向いていた自称枯葉の妖精が、画面の中で無邪気に笑っている。
「おかえり。」
0からのスタートというわけでもない、選択肢は、幾つかあるのだから、入院中の間くらいは、考える時間に充てても良いんじゃないかと、小風に揺れる枯葉に、自然とそう思えてくる。
「もうすぐあの看護師来るから、しばらく話しかけんなよ。」
妖精の残念そうな顔に、思わず笑い声が溢(こぼ)れた。
(後書き。)
調べる事が多い^^;
ダッシュの正しい使い方が分からないまま乱用してみた。
2/21/2026, 12:47:40 PM