【祈りの果て】
愛しい人。
いつだって前を向いて走り続けている。
自分のような人間に好かれるなんて気の毒だ。
一方的な想いを届けるつもりはない。
自らの内に閉じ込めた気持ちは身勝手なもの。
小さな承認欲求につぎはぎの理性で蓋をする。
あの人はこちらを見ない。
立ち止まり、後ろを振り返ってばかりの人間とは見ている世界が違う。
邪魔をしたくない。
気づかれたくない。
誰のものにもならないで。
見えないところで幸せになって。
いつか、遠くに行ったあの人の隣にいなくとも。
ささやかな祈りが歩む道を照らしますように。
11/13/2025, 2:49:14 PM