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#10年後の私から届いた手紙

―――

古びれた便箋だ。
少しよれた、名前が書いてある。

書いた覚えはないが、自分の字で
多分、覚えてないだけなのだろう


...私はそれを、真っ二つに破った
中身も見ずに、ビリッと言う音だけが部屋に響く

知りたくなかった
見たくなかった

あの頃の、青い春を生きていた私の言うことなんて

――くすんだ紙くずが、バラバラと床に散らばる

今の、灰色に沈んだ私には眩しいから

――たった数動作なのに、妙に息が切れている

嗚呼、なんだか疲れた

私は身体の重みに任せ、背後のソファーに倒れ込んだ

未来なんてろくでもないでしょ

...誰かが、そう呟いたような気がした

2/15/2026, 11:17:38 AM