『雪の静寂』
雪が降るとどうしてこうも静かになるのか。
いつ吹く北風も野犬の遠吠えも全然聞こえない。
部屋のストーブの上に置いてある
ヤカンの水が沸騰してる音だけが静寂を打ち消している。
それなのに沸騰してる音が聞こえているのに
「"静か"」と感じてしまう。
コタツの熱とストーブの熱。
静かで...暖かい。
みかんの皮を剥く速度がどんどんゆっくりになる。
もう既にウトウトして寝てしまいそうだ。
首の踏ん張りが...限界...
そのまま勢いよく額をテーブルにぶつける。
「...っ」おかげで目が覚めた。
額をぶつけた音ですら静かな空間に飲み込まれた気がする。
語り部シルヴァ
12/17/2025, 10:33:49 AM