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当たり前に感じていた温もり。手を触って自分の冷たさを自覚するようなとってもあったかい手を持ってた人だった。肩を触って、肩を揉んであげていた時も確かに温かさを感じてた。でもそれももう“遠い日のぬくもり”。昨日のように感じるあの頃からもう約1年が経ったことに実感が全く持てない。確かにすぐ触れる場所にいた、声をかけたら返事をしてくれた、隣にいた存在は記憶になってしまった、思い出だけになってしまった。いないことに実感が持てない、前は母の方が苦しそうだったし父だって初めて泣いているところを見たから私が元気でいなければと、明るい声を出して、明るい思い出ばかり話していた。でも、だんだんみんなが落ち着いてきて、自分に目を向けた時、全然受け入れられてなかったのだと自覚した。受け入れようとすると何もできなくなる。涙ばっかり出てしまうから。最近は何も考えていない。
ただ絶対にあの温もりを忘れては行けないと、たびたび思い出すようにしている。忘れたくない、遠い日にしたくないんだ、ほんとは。
時間は時に残酷なんだ。

12/24/2025, 4:13:05 PM