僕アビーと茶々丸の2匹はイザベラさんの中庭にあるアトリエ小屋の上で、薄明かりの中、月の周りに浮かぶ虹の輪を眺めていた。
「お月さまの周りに輝く虹の輪、素敵だよね。月光輪て言うんだって。氷の霧と月の光で出来るんだ。茶々丸、あのお月さまは、オシャレをした君みたいだ」
「そう?僕が丸顔ってこと?それよりもお餅が食べたくなったな」
「ダメだよ。僕たち猫がお餅を食べるなんて、梨の食べすぎでお腹を壊すより大ごとになるさ」
茶々丸は声を出さずニャーと鳴いて、お餅を忘れることにしたようだった。
「光と霧の狭間で」
10/19/2025, 12:11:15 AM