最近、私には困りごとある
憂鬱な学校生活で唯一の癒しの時間である図書室での受付
色々な小説や本が読めるし、木造建築の屋内構造は、ほのかに木のいい香りがしてリラックス出来る
私のお気に入りの空間である
(本を読みながらゆったり仕事出来るし、皆がどんな本借りたりするか見てるのも楽しいんだよね)
「ちっ、なんて読むか分かんねぇよっ!」
小説を睨みながら図書室では、確実にマナー違反の声を上げるガラの悪い生徒
えぇ、そうです、困りごととはコレ(彼)の事です
私と同じ2年1組の荒木くん
The高校のヤンキーみたいな見た目をしてるし、服装は乱れてるし、口悪いし、デリカシーないし、うるさいし、眉毛ないし、金髪だし、耳穴だらけだし、眉毛ないし───
兎に角っ、私の癒し空間であるこの場所には絶対にそぐわない生徒
それが荒木くんだ
(最近頻繁に通い詰めてるけど、何?どんな心境の変化?
読みながらイライラしてるみたいだし、図書室来ないでほしいな)
ガタッ
貧乏ゆすりをやめ、勢いよく椅子を引いてい本を片手に立ち上がる荒木くんが小説の文章の片隅に見える
(うわ、こっち来る)
「借りる」
本の表紙を裏返してぶっきらぼうに突き出す
荒木くんが貸し出しを言ってくるのは初めての事だった
内心驚いたけど表情には出さないようにする
私は読んでいた小説を置き、立ち上がって本のバーコードをスキャンする為に本を受け取ろうとする
「?……あの、本貸してもらえません?」
「あぁ?」
低い声での返しに肩が少しすくむ
「いや、あの、バーコード…スキャンしなきゃ」
「ちっ、見せたからいいだろ?借りてくから」
そう言って図書室を出ようとする荒木くんだが、そうはいかない怒られるのは私だ
「いやっ駄目だから、本貸してよ」
そう言って私は本を引っ張る
「─ッ離せよっ」
強い口調にびっくりして即座手を離すと本をお通して拮抗していた力が勢いよく荒木くんに向かう
「うおっ!」
尻餅をつく荒木くん
(あっ私死んだな)
殺されないために急いで謝りながら受付を出て駆け寄る
落ちた本を手に取り荒木くんに渡すように向ける
鋭い眼光が私を捉えるも一瞬で目線が私の手元の本に移る
私もつられて見ると表紙面のタイトルが見えていた
(授業でやった昔の恋愛小説のタイトル!これを見られたくなくて頑なに本を貸してくれなかったんだ、でもだとしたら見ちゃった私ヤバくない?)
更に状況が悪くなったこと気づくも、正直焦りでパニック状態
でも何か言わなきゃと殺されないために必死で脳をフル回転させた結果
「わ、わたしもっ、好きだけどなぁ、コノっ小説っ!」
怒りからか、恥ずかしさからか赤面状態の顔に苦笑いをつけピクピク眉が痙攣しながら一言
「コ、コロスッ!」
〈────────────〉
とっそんな事があったのも半年前
あれから私は全力の謝罪で何とか命を守りきり、荒木くんから口止めとして後日呼び出され噂になるは、いじめを勘ぐった先生に詰められるはで散々だった
半年経った今でも荒木くんは図書室に通い詰めている
相変わらずヤンキーみたいな見た目だけどあの一件以来、知られたのならと、開き直ったのかよく話しかけられるようになり、読めない漢字や、分からない表現を聞きに来たりするようになった
(今では読書仲間、何て勝手に思ったりして)
結構仲良くなったし(勝手に思ってるだけ)何で、図書室に通い出したのか一度聞いてみたりしたけどはぐらかされた
今では図書室で彼と話す時間が割とお気に入りだったりする
2/18/2026, 1:36:32 AM