凍てつく鏡
朝の冷気に、庭のたらいの水がぴんと張りつめていた。
それは真っ白に澄んだ「凍てつく鏡」。
世界が一度リセットされたような、清々しい静寂。
お気に入りのカップにコーヒーを注ぐと、香ばしい香りが部屋いっぱいに広がる。
その温もりに誘われるように、愛犬のクロがトコトコと寄ってきた。
つやつやの黒い毛が、冬の陽だまりを反射してキラキラと輝いている。
凍りついた鏡は、冷たいだけじゃない。
これから始まる新しい光を、一番きれいに反射するために準備をしているんだ。
クロの温かい背中に触れながら、私は今日という真っ白な一日を、
どんなふうに歩こうかと考えている。
12/28/2025, 3:01:59 AM