『20歳の鵜飼美琴様へ』
そう書かれた封筒が玄関の前に投げ込まれていた。
てか、私まだ19だけど。
悪戯だろうけど面白そうだから開けてみる。
柔らかく細かく波打つような罫線がひかれた紙が2枚入っている。
よく見てみてもやっぱり何も書かれていない。
「なんだ、この悪戯。ちっともおもしろくない」
期待はずれの手紙と封筒を机の上に投げ出す。
スポットライトを浴びるように光が差し込んでいるのに、誰の目も向けられていない。
夜、大学入学とともに始めた日記はすっかり日課になっていた。
机に向かうと視界に入ってきた手紙に驚く。
真っ白だったはずの紙は、色がついている。
「黒?いや、藍色?」
暗い色のなかに色味を感じる。
それに、少しばかり今より整っているけれど、確かに私の字だ。
------
なんとかなるから
あなたのしたいこと、好きなことと向き合いなさい
大丈夫、私がなんとかするから
私を、あなたを、信じなさい
------
2/16/2026, 3:37:11 AM