少し気持ちが沈んでいた、ある冬の日。色んなことが上手くいっていない気がして、周りの目が怖くなって、何となく不安で、下を向いて歩いているときだった。可愛らしい、鈴の音が、聞こえてきた。前を向くと、小さな女の子が、鈴のついたプレゼントを持って、親と一緒に笑顔で歩いていた。そうだ、クリスマスが、近いんだ。忘れかけていた、大好きなクリスマス。鈴の音が遠くなっていく度、顔が綻ぶ。なんの根拠もない不安が、鈴の音と一緒に振り落とされた気がした。
12/13/2025, 10:45:26 AM