sairo

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雪の白に染められた道に、そっと足を踏み出した。
ぎゅっ、ぎゅっ、と雪が押し潰される音がする。振り返れば真っ白な世界に、足跡が続いている。
灯りなどなくても見えるそれに、不思議に思って空を見上げた。
空には白い上弦の月。煌めく星々が、やけにはっきりと見えていた。
満月でないというのに、随分と明るい夜だ。視線を下ろし周囲を見るが、光源は見当たらない。
ただ降り積もる雪が、月の光を反射して。
灯りのようにぼんやりと、夜の闇を白く照らしていた。

12/27/2025, 10:46:48 AM