「遠い日のぬくもり」
冷たい北風が吹く街中で、冷たい手を無意識に擦り合わせながら歩いていた。ふと、一瞬だけ手に懐かしい温もりを感じた。その温もりにあなたの無邪気な笑顔が浮かんでくる。私が寒そうにしていると、私の手を自分の手で挟み込んで、これであったかくなるでしょ?と笑いかけてくれた。あなたの手はなぜかいつも温かかったことをよく覚えている。
しかしそれはもう昔の話。
一瞬だけ感じられた遠い日のぬくもりは、私の手をさらに冷たくして北風の中へ消えていった。
12/24/2025, 1:58:47 PM