アルミ合金のムニエル

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 ふと顔を上げてみると、時計は深夜一時を示している。
 栞を本に挟んで閉じる。何気なくスマホを手に取る。
 ホーム画面に2件のメッセージ表示があって、開いて見てみると本の感想が書いてあった。極力ネタバレはしないように気をつけてるんだなと、そう感じさせる内容だった。
 ストーカーの存在なんてまだ知らなかったから、結構なネタバレ喰らったなと。苦笑いをしながら、今読んでる場面とその感想を書いた。最後に口を膨らませた、怒ってる風なスタンプを送りつけた。相手はもう寝ているだろう。電気を消そう。
 電気は消した。明日もまた起きないといけないのに。また本を開いている。文字の羅列が、淡い。
物語を堰き止めていた紫色の押し花がされた栞を、横に避けておく。花の種類も、花言葉もわからない。でも綺麗な花だということはわかる。
 小さな栞が、ベッドに備え付けられた読書灯のオレンジ色に塗られる。花は黒くくすんで見えた。
花の栞はプレゼントされた物だ。プレゼントとは違うか。交換した物。
 私が使ってた鶴の栞に追いつく為に、もう少しだけ読んでおこう。

2/17/2026, 1:55:17 PM