『君が見た夢』
夜更かしをしすぎてそろそろ寝ようかと
布団に潜ろうとしたとき、君から着信が来た。
いつもの君ならひと声かけるのに珍しい...
そう思いながら電話に出る。
「もしもし?」
「もしもし、夜中にごめんね。」
「ううん、全然大丈夫だよ。少し深呼吸して...
落ち着いたら聞かせてよ。」
鼻声の君を落ち着かせながら
溢れる涙を抑える声を電話越しに聞く。
少し経って落ち着いた君が話し始める。
「目が覚めたら君が隣にいなくて、
そもそも君がこの世界にいない夢をみたの。」
寂しくて泣いてしまったか...申し訳ないけど
そんな君も可愛いと感じてしまったのは言えないな...
そんな雑念を振り払い君を慰める。
「そっか...寂しかったんだね。大丈夫だy」
「違うの。」
慰めようとすると君が僕の声に割り込む勢いで答える。
する時また涙を流し声を押し殺す声が聞こえた。
「違うの。
そんな世界に対して寂しいとか何も感じ無かったの。」
落ち着くまで待てなかった君は
感情に任せるように僕にそう言った。
語り部シルヴァ
12/16/2025, 2:19:57 PM