子供の頃
模試返却の日。
志望校の判定結果と一緒に、自分の答案が返ってくる日だ。
第一志望合格可能性 E。
ただ「E」と書かれた個人成績表が返却された。
一般に、E判定の合格確率は20%以下だ。
込み上がってくる「それ」をぐっと堪え、自分の置かれている状況を理解した。
「それって、綺麗事でしょ。」
どこからか、そんな声が聞こえた気がした。
第一志望に合格したい。
努力を重ねれば、いつかは――
それでも、諦める理由にはならなかった。
ここで逃げ出してしまったら、何かが終わってしまう気がしたからだ。
その時の悔しさを、今も忘れない。
全力でぶつかって、挫折したからこそ、今の僕がある。
長く、苦しい日々だった。
けれどその日々は、僕に確かな気力を与えてくれた。
だから僕は、今日も前を向ける。
僕だけの理由があれば、それで十分なのだから。
「心の片隅で」
12/18/2025, 11:36:16 AM