夢幻劇

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これまで書いた文章のなかで、お気に入りのものは何作かある。そりゃあ、自分で使いたい表現を使って、自分が好きなシーンを考えて、心の奥からすくい上げた言葉だけで書いているんだから、むしろ気に入らない方が珍しかったりすんじゃないだろうか。なんて言いつつも抱いたイメージをそのまま文章に落とし込むのは案外難しく、だからこそ“何作か”なのであるのだが、。

作者がどんな表現が好きで、どんなことを思って、どんな風に物事を捉えて、どんな文にするのかはその作者のお気に入りを読めばいい。
すると、その人がどんな人か大体すっと入ってくる。

そして“あ、この人好きだな。”と思った作者さんに、そっといいねを送るのだ。


話は変わって、実は先日過去に書いた文章を見つけた。
個人的にお気に入りの世界観。
少し今の自分らしくアレンジを加えて、ここに残したい。
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そう遠くない未来のお話です。
地球に彗星が降った日、太陽系に新たな惑星が誕生しました。

地球そっくりな、でも大きさは一軒家ほどしかないその惑星は、地球の大人たちによって、日本名で“群星”と名付けられました。
大人たちが群星の調査をしようとするも、目に見えないバリアが貼られているかのように、近づくことができません。

群星が誕生し、研究が始まってから5回目の春。
どこからかやってきた種が群星の大地に根を張り、静かにひっそりと芽を出しました。

やがて芽は、若葉となりました。若葉は新鮮な水を飲み、澄んだ空気を沢山吸い込んで、そして太陽の光を沢山浴びて育ちました。
そうして育つ中で、いつしか若葉は立派な木へと成長していきました。

成長した木には目に見えるもの全てが新鮮で、まるで世界がキラキラと輝いているかのように思えました。
ですが木はあるときふと、自分が一人ぼっちであることに気づき、とても悲しくなりました。

水通して見た記憶では、鳥が肩に乗り綺麗な音を奏でてくれました。
花は、素敵な香りで満たしてくれました。
他の木々と合唱をしたこも、一度や二度ではありません。

けれど、今の木は一人でした。
鳥も花も、他の木々たちもいません。

木は悲しみに明け暮れました。
そうして月日が経ち、木がやっと落ち着いた頃にはもう木は大きく成長しきっていました。
幹は大きく太くなり、沢山の葉を付けて、身長も伸びました。

ですが木は気づきました。
本当は一人ぼっちでほなかったことに。

いつも水が栄養を届けてくれて、大地が支えてくれて、風に少しばかりイタズラをされ、太陽が照らし続けてくれていたのです。

木は、水が、大地が、風が、太陽が、いつも自分の傍にいたことに、やっと気がつくことができたのです。

“ありがとう、ありがとう。”

木は泣きながら、何度も何度も“ありがとう”と、そう言いました。
もう悲しみはありません。与えられた優しさと愛に気がつけたから。
これは嬉しいから流れる涙なのです。

自分を愛してくれる人がいる。
それだけで木は十分なのでした。

これを読んでいるあなたがもし孤独を感じているのなら、一度周りに目を向けてみて欲しい。
きっとそこにはちゃんと、あなたに向けられた優しいと愛が
あるはずだから。
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当日自分が思っていたこと、欲しかった言葉を詰め込んだ作品です。
だれかのお気に入りになれますように🍀*゜
【お気に入り】

2/17/2026, 1:38:28 PM