『君が見た夢』
…………暗かった―――
ここがどこか分からない……
道だと言うのはわかった
とても曲がりくねっていた
真っ直ぐ進んでるつもりなのに
真っ直ぐ歩けない……
私はと言うと……
なにかの荷物を持っていた
リュックサックを前にも後ろにも
中身が何かわからない
それを見ようとしたら
前のめりに転けてしまった―――
中身が飛び出す
黒い塊のようなものが
次から次に飛び出す
私はとにかく、立ち上がるので精一杯
中身が散らばったのに
何故かさっきより重かった……
体が重いのか、
なにか不思議な力で残りが重くなったのか
その時の私には分からなかった
拾いたい気持ちがあったが、
その想いをぐっと飲み込んで
そのまま私は前に進むことを選んで
重い重い足取りで、ゆっくりと進んだ
―――――――――ん?
今 気付いた
人がいる―――女の子が1人
黄色いシャツに白い服を羽織って
長いパンツを履いていた
とても綺麗な茶色いポニーテール
とても笑顔で、私の周りを走り回っていた
全く見覚えのない子だ
なのに……
他人としか思えないのに―――
私の周りを元気にずっと走り回り
どっちに向かおうと、笑ってくれた
どんな進み方しても、笑ってくれた
笑い声は小さいけど、
なんだか小さな元気が湧く
抱えてる荷物は相変わらず重いのに
足は頼りないけれど
一歩を踏み出すチカラは
不思議と湧いてくる
目の前にひとつ、
弱く光る扉が見つかった
一歩、一歩と進んでいく
女の子は相変わらず笑いながら
私の周りを着いてくるように走り回っている
扉は自然と開いた、
大きな荷物を抱えたままの私と
女の子も一緒に、その先へ―――
〜シロツメ ナナシ〜
12/17/2025, 5:11:29 AM