"小さな命"
ある日、よくわからない生命体を拾った。
近くの公園の柵の上できょろきょろしているところを発見した
手のひらほどの大きさで、ふわふわしていて可愛かったのでうちに連れ帰った
突然連れ去られたこともあり困惑している様子でいた
何か食べさせておこうと思って、チョコが混ぜ込まれたパンをちぎって目の前に差し出す
警戒心など何処かに忘れてしまったようで、差し出したらすぐに食べた
そんなことをしていれば私に大層懐いてくれたようで、どんな時も暇があれば私の手に擦り寄って嬉しそうにしていた。
小さいくせして温度が高く、手を添えているだけで暖かかった
一体こいつはなんなのか
気になりはしたが、調べることはなかった
牛乳や果物なんかを私の手ずから食べさせた
どんなものでも物怖じせず嬉しそうに食べる姿が可愛いと思った
ある朝、そいつは動かなくなっていた。
拾ってから一週間後のこと。
持ち上げてみると昨夜より少し軽く、無機物の様な印象があった
冷たい体から、もう生きていないということを小さく告げられる
ゴムのように少し硬くなったそれを、気味が悪いと思ったことは、きっとおかしいのだと思う
私はそのまま家を出て庭先に手で穴を掘った
そっと穴の底に横たわらせ、両手で包み込む様に柔らかい土を被せた
手頃な石を見つけて、突き刺しておく
家の中に戻った時、確かにいつも通りになった部屋になったことを実感した。
2/24/2026, 11:32:23 AM