たーくん。

Open App

ピンクに包まれているなんともいえない世界。
彼女がどんな夢を見ているのか気になり、人の夢に入ることが出来る"ユメハイール"を開発して、早速入ってみたが……ピンク一色でなんてやらしいんだ。
だが、そう思ったのは一瞬だけだった。
ピンクの世界で、全裸おじさんが一人で踊っている。
……なんだこれ。
そういえば、彼女はおじさんが好きって言っていた。
「俺はおじさんじゃないのに、なんで告白をOKしてくれたんだ?」と聞くと、「これからおじさんになっていく姿を見たいからだよ」とよく分からない回答をされたことを思い出す。
その時は彼女が出来て嬉しかったから気にもしなかったけど、今思うと少し変だな……。
俺が歳をとって、おじさんになったら、こんな風に踊らされるのだろうか?
「そこの坊や。一緒に踊りましょ」
しかもこの全裸おじさん、オネェ口調だし。
彼女の夢なんか覗かなければよかったな……。
誘いを断るのは申し訳ないから、少しだけ全裸おじさんと一緒に踊ってやった。

「昨日ね。君が楽しそうに踊ってる夢を見たよ」
次の日、彼女から俺の夢を見たと言われて、ハッとする。
どうせなら、もっと別のことをすればよかったと後悔した。

12/16/2025, 10:06:44 PM