息も白くなり始めた季節、明日か明後日には初雪が降りそうだななんて思って空を見ていると
「手出して!」
鼻と頬を赤くした君が弾けたつぼみみたいに走ってきて僕に言った
驚きつつも言われたとおりに、手袋をつけ忘れてポケットに入れていた両手を出した
「んふふ、はい!プレゼント!」
そう言って僕の手に乗せられたのはひらひらと舞う赤や黄色の紅葉だ
「もっと集めてくるね」
僕の感想を聞くこともなく軽快に走っていく君を見て思わず僕も笑ってしまった
紅葉の乗った両手はどんどんと冷えていくけれど、再びその手をポケットに入れようとは思わなかった
紅葉がこぼれないようにそっと両手を閉じて僕は君を追いかけた
12/19/2025, 5:06:24 PM