天蓋

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「あのさ、散歩いかない?」

23時、僕の部屋でそんな事を言い出す君。

「へぇ?今何時かわかってる?」
「え、わかってるよさすがに!」 
「なんで行きたいのよ笑笑」
「え〜、なんかね、甘いの食べたくなったの」
「笑笑、それは緊急だわ、行こ」
「やった〜!」

寒がりなくせに寒い夜に外に出ようとする理由、僕には分かるよ。
寂しがりやでかわいい君の横顔を見つめた時、月にかかっていた雲が晴れた。

月明かりで少し君の顔に影が生まれる。

君がこの世界の陰りを知らずに、生きていけますように。

「君を照らす月」

11/16/2025, 4:31:38 PM