彗星

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題:自分で拓く

 明日のことなんて、誰にも分からない。
 自分でも分からない。
 ましてや、自分が恋に落ちるという明日も。

❁ ❁ ❁

 ずっと見てた。隣の貴方を。
 自分が貴方に恋をしたと気づいた時、それからが楽しみで仕方がなかった。
 まるで、明日に光が射すかのように。
 貴方を意識しだすと、もう止まらない。
 貴方を好いている人が他にもいることは知っている。
 幼馴染から恋心へ変わったりした人もいる。
 そんな、誰かも好かれる貴方を独り占めしたいと思うのは傲慢かしら。
 でも、例え傲慢だとしても、私は貴方を手に入れてみせる。
 好きという気持ちに偽りなどない。
 貴方と初めて会話をした時、恋の風が吹いた。
 心臓が煩くなって、貴方に聞こえていないかしらと、心配になるの。
 遺物調査の時はその不安は忘れられるけど、終われば始まる。
 寝る時も、頭に浮かぶのは貴方だけ。星にだって祈った。
 でも、行動しないと何も起こらない。
 なら、自分で拓く。
 明日を、未来を。
 自分で切り拓いて、光を掴んでみせる。

お題『明日への光』

12/15/2025, 1:17:00 PM