出会いは月が綺麗にみえる夜に突然訪れた。
祈りを捧げることはもう習慣化。
周りへの感謝を忘れず、自分を整える。
家族と別れてからこれから1人でこの生活を続けて行くと思っていた。
1年前からはじめた神社巡り。少し遠くの神社に参拝するめに、車を走らせながら向かっていた。その道中、配信をしていた。そんなに視聴者は多くない。その中で、突飛なコメントが飛び込んできた。
「2人でお話ししたいです。」
プロフィール画像は女性の後ろ姿。ぱっと見かなり若く見える。娘がいたらこれくらいだろうかと思う。そんな子が2人で話したいとは何事だろうか。配信も他に2人だけしか見ていない。興味を惹かれた私は、彼女がいいならと2人で話してみることにした。
連絡先を教えてもらい、無料通話で話すこととなった。
彼女は大学生。私の住む地域からはかなり離れた所に住んでいるようだった。たまたま見かけた配信で、私の声に惹かれたらしい。真っ直ぐに「声がどタイプでやばい好きってなった。」と伝えられると悪い気はしない。
彼女とは夜中から明け方まで話し込んだ。はじめてあった気がしなかった。特に深刻な話をされるわけでもなく、ただ心地よい時間だった。それが余計に謎であった。この日限りだろうと思っていた。
しかし次の日も彼女から連絡が来た。
「昨日の月が綺麗で、またみたいなって思ったの。」
そこから毎日彼女と連絡を取るようになった。お互いの日常を共有し、暇さえあれば電話をずっと繋げる生活になった。日常に彼女が知らず知らずのうちに侵食してきていた。
知り合って数日後俺は彼女の住む地域に行くことにした。突発的に。
別に特別会いたかったとかそういうのではない。
ただその日会う予定だった女性にドタキャンされモヤモヤしていた。顔も見たことないが、毎日長電話してくれる彼女なら、たぶん会えるだろうと直感が訴えたのだ。
あわよくばその日中に触らせてくれるかもとか考えた。まあ、最近の若い子だし警戒心はそれなりにあるだろう。期待はしない方がいい。連絡すると彼女は尻尾を振っている様子が目に見えるようなテンションで、「今日来る!?どうしよう嬉しすぎておかしくなりそう」と変なことを言いながらも受け入れてくれた。
片道5時間。
待ち合わせ場所に彼女はいた。
少し罪悪感がある。
毎日祈りを捧げていたら、こんな出会いがあるなんて。
月の元、繋がったご縁。
このご縁がまさか俺の人生を大きく変えるようになるとは。
1人で祈る毎日が、2人で祈る毎日になるのはまた別のお話。
12/25/2025, 2:40:17 PM