揺れるキャンドル
テーブルの上で、キャンドルの炎がダンスをするように揺れている。
風が吹くたび形を変えるその姿は、自由で、どこか楽しげだ。
揺れることは、不安定なことじゃなくて、しなやかであることなんだと思う。
足元では、愛犬のクロが深く息を吐いて眠っている。
この子の穏やかな寝息を聞いていると、世界に流れる時間は本当はもっとゆっくりでいいのだと教えられる。
淹れたてのコーヒーから立ちのぼる湯気が、部屋の空気を優しくほどいていく。
「大丈夫、光は消えない」
揺れる炎を見つめていたら、ふいにそんな言葉が胸に降りてきた。
迷ってもいい、形を変えてもいい。
明日という真っ白な紙に、またクロと一緒に、新しい足跡をつけていこう。
12/23/2025, 1:51:27 PM