学生時代に埋めたタイムカプセルが郵送で届いた。味気ないことするなぁ、こういうものは掘り返して土を払うのまで含めてロマンがあるというのに。
まあ地球は大気汚染と海洋汚染が急速に進行し、すでに自分や家族は地球を離れ宇宙船にいるのだから仕方ない。
ロマンは安全の二の次、そういう時代だ。
届いた小さいチップを手の甲にかざすと、青みがかったホログラムがかつてのタイムカプセルとその中身を再現してくれる。
ああ、こんな事書いてたのか、懐かしいな。
将来はどうしてるか、ご飯は食べられているか、どこに住んでいるか、夢の城には住めたか、なんて平凡な事が書いてある。
レーションには慣れたし、バリエーションも悪くない。どこに住んでいるか……と聞かれると困るな、定住はしていない。城っぽい内装にもできるけど、そうする意義もないな、うーん、現実はロマンの欠片もない味気ないものだ。
あ、そうだ。今の技術があればこちらから昔の自分に手紙を送る事もできるだろう。
十年前の自分へ……いや、十年後のあなたです、かな。
まあまあな生活で、いつでも星が見える家に住んでますよ、食事も毎日違うメニューで、サイコーの毎日!
なんて、まあ嘘は書いてないから良いはずだ。
お題 ―「10年後の私から届いた手紙」
2/15/2026, 4:43:16 PM