学生のころ、寒い日には温かいペットボトルのミルクティをよく飲んだ。仲間うちでも気に入ったものがあって、いつもそれを選んでいた。他のものより、紅茶の風味がよく、まろやかな味が良かった。誰かが、そのオレンジ色のキャップのボトルを手にしていたら、飲みたくなった。
凍える手で、自販機からボトルを取ると、それだけで少し癒された。ほんの少し苦みがある甘いミルクティが喉を通っていく。お腹の中からふぅーっと温かくなった。
君と散歩する時も、一緒によく飲んだ。その甘さが、寒さや緊張なんかもほぐしてくれた。
自販機で見かけたので、久しぶりに買ってみた。こんなに甘かっただろうか。何口か飲むとあの頃のことが蘇ってきた。変わらないぬくもりだった。
「遠い日のぬくもり」
12/25/2025, 9:15:51 AM