récit

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ディアーヌは、静まり返った夜空を深い悲しみを持って見上げる。彼女の愛するオリオンが、彼女の矢によって星になってしまったからだ。
彼女は、赤いドロップを口に含み、いつまでも彼の姿を求めている。

オリオンの輝きが彼女の心を引き寄せても、その距離は永遠に縮まることがない。どんなに手を伸ばしても触れることは出来ないのだ。
彼女の心は夜空を彷徨っていた。

そんな中、オリオンの忠実な犬シリウスは、冬の冷たい空でまるで真夏のような輝きをオリオンの隣で放っている。
シリウスは、オリオンを追い続けるディアーヌの悲しみを温めやさしく和らげてくれる存在だ。
そして悲恋の恋人たちを力強く見守ってくれている。

ディアーヌはそんなシリウスを見て、それから赤いドロップをまた一つ口に含ませ切ない息をするのだった。

「夜空を越えて」

12/12/2025, 12:03:19 AM