揺れるキャンドルを支えて、足元の人に声をかけた。
「ねえ、これ揺れてるけどここで大丈夫?」
相手はこちらに見向きもせずに応える。
「あぁ大丈夫だ。とりあえず全部配置してくれ」
返事がテキトーだ。
僕は何となくやりきれない思いを抱いて、
脚立を降りていった。
足が地に着く安心感を味わいながら、
彼の元に近づき。
眩しく感じればいいと思ったから、
キャンドルを背に、彼を影に隠すように立つ。
光を絶たれて違和感を覚えた彼はこちらを振り返り、
案の定眩しそうに、
まるで昼寝から起きたばかりの猫のように目を細めた。
12/23/2025, 2:56:34 PM